「櫻井と仲が良かったんだね」
真っ直ぐに俺を見てくれるから。
俺も同じように真っ直ぐに彼女を見つめて話し出す。
昨日、初めて間近で見た。
昨日、初めて目を見て言葉を交わした。
それまでは、ただ遠くから見てるだけ。
たまに校内ですれ違うだけ。
だから、こんなふうに隣に座って目を合わせて会話が出来る日が来るなんて。
思ってもみなかった。
秋山が、とか。
櫻井が、とか。
今は、そんなことどうでもよくて。
手を伸ばせば触れられる、そんな二人の距離が素直に嬉しいと思う。
まあ…、触れるなんて、何かなければ出来ないけど。
「学校では話してるの見たことなかったから、意外だった」
「う、うん…。クラスも違うし、特に学校では接点もないからね」
確かに、クラスが離れてるせいで教室の階も違うし。
意識的に会いに行かなければ、そうそう校内で鉢合わせすることもない。
普段、俺と一緒にいることの多い櫻井が。
彼女と接触することがほとんどないことにも頷ける。
なんて、呑気にそんなことを思っていると。
「…隼人とは、付き合い長いの」
「えっ…?」
彼女の言葉に、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

