モテ子☆モテ男の恋愛事情。



隣に座った彼女は、特に何を話すこともなく。

俺と同じようにバスケを眺めてた。


櫻井の豪快なプレイにたまにクスクスと笑ったり。

あの優男のキレのあるパスが通ったとき『よしっ!』なんて小さくガッツポーズをしてる姿を見たときには思わず二度見してしまったくらいで。


そんな俺に気がついた彼女は、少し恥ずかしそうに俯いてしまった。


「バスケ、好きなんだね」


眺めている姿も、さっき実際にやってる姿も。

すごくキラキラした瞳をしていたから。


「…うん、好き」


恥ずかしさの残った顔を少しだけ上げて、上目遣いに俺を見て。

消え入りそうな小さな声も、これだけの至近距離ならハッキリと届く。


バスケが“好き”って言っただけなのに。

その言葉だけを勝手に切り取って、勝手に勘違いしそうになる。


ほんのり頬を染めて。

柔らかい笑顔で俺を見ている彼女に。

ドキン…と胸が跳ねたのがわかった。