「…三浦、そんなとこ突っ立ってどうした?」 だけど、視線に気付いて突っ立ったままの私に声をかけてくれた斎藤くん。 「あっ、いや、えっと、ノートありがとう…!」 なんだか胸がズキズキとして、斎藤くんにノートをササっと返す。 「別にいいよ、いつものことだから」 そう言った斎藤くんは、ははっと笑う。 その笑顔で、私はなんだか泣きたくなった。 いつもなら、ちょっとした笑顔でも私は喜べる。 …なのに。