昼休み、私はノートのページの端っこに“ありがとう”とだけ書いて席を立った。 向かうのはもちろん、斎藤くんのところ。 「あっ、斎藤く……、」 斎藤くんを見つけて、声をかけようとしたところで私の声は途切れた。 「やだ、優翔くんってば!」 「冗談ですよ、冗談」 斎藤くんと、仲睦まじそうに話している本城(ほんじょう)先輩がいたから。