音楽を専門に学ぶ為の学校
私立園城学園に私は入学しました。


入学式が終わって、解散になったんだけど…
校舎が広すぎて迷ってしまった!








で、トボトボ歩いていたら不意にヴァイオリンの音が聞こえてきたんだ。









「どこから聞こえるんだろう?……」







私は音の鳴る方へと何かに導かれるようにして歩いて行った。すると……










そこには、屋上への扉があった。











確かにここからヴァイオリンの音が聞こえてくる。入学早々誰からがヴァイオリンを弾いているのだろうか。そして、扉を開けるとそこには……










少し深い青色の髪に赤いヴァイオリンを弾いている男の人がいた。あまりにも美しくて、一歩下がってしまった。









ガサッ。








!!…後ろにあった落ち葉を踏んでしまったようだ。







「誰だ。そんなところで何してる。まさか、俺のファンか?」







澄んだ声の主はあの深い青色の髪の男の人だった。








「あ、あの…すいません!…綺麗なヴァイオリンの音が聴こえたので見に来てしまいました……」









彼はこちらを振り向くと、まじまじと私を眺めた。なんだか、恥ずかしくなってきた…
しばらく彼は私を眺めていると








「地味だな、お前。」








「!?……え?…」









「もしかして、お前新入生でヴァイオリンがすごく上手いって噂の七瀬和穂か!?」








な、な、ななななんで知らない人がわたしの名前を知っているんだろうか?全く状況が理解できない。









「あ、悪い。名乗ってなかったな。俺は神田優。お前と同じヴァイオリン専攻の1年だ。」








「同級生なんですか!?…驚きです…。神田くんはどうして入学早々ヴァイオリンを弾いているんですか?」








「なんでって…弾きたくなったからかな。」









てっきり先輩かと思って緊張していたけど、同級生と聞いて少し安心した。









彼はひとしきり喋ると








「じゃあ、俺帰るな。七瀬は帰るか?」








「うん、私も帰るよ。じゃあ。」










と言って先に行こうとすると










「ちげーよ。一緒に帰るんだよ。」