垣内の言葉に全員が
首をふった。

もう案出尽くしたようだ。

出てきた案を一つずつ説明したり
意見を言い合ったりして一番いいものを選ぶ。



いつの間にか
垣内がずっと進行をし明日香は黙ってメモをとり
美結はどこから持ってきたのか小さいパソコンで
出てきた案を詳しく調べていた。

ソノは
少し口を出しながらもほとんど聞いているだけ
だった。




「…りん?」





ある程度書くことが
終わった明日香は顔を上げ、
曇った表情をしている懍をうかがった。

懍は腕組みをして
紙にかかれた案を凝視している。





「…なんか、引っ掛かるのか?」





垣内も懍の様子に気づき
口をはさんだ。


懍はなかなか口を開こうとせず
むしろ固く口を結んだ。





「り、んちゃん?」





美結が心配して
顔をのぞかせた。

さすがの懍も刺さる視線に気づき、
顔を上げた。





「どうかしたのか?何か他に案でも出たのか?」

「…いやそーゆーわけじゃなくてさぁ
私はどの案もいいとは思う…」

「とは?」

明日香も懍の言葉に引っ掛かったようだ。




「…ソノは、もっと、こー…」

「こー?」

美結は言いながら首をゆっくり傾げた。




「根本的なところを
どうにかしないといけない気がする…!」




最初に反応したのはなぜか
垣内だった。

驚いたように
立ち上がったため椅子がものすごい音を立てて倒れた。

教室中が一瞬で静かになった。






「…っ!!
ごっ、ごめん。ちょっと飲みもん買ってくるわ」






この場から逃げるようにして
垣内は教室を出ていった。