「えーまぁ確かに順位には
入ってた気がするけど…ってえっめずらしいな!
順位表とか見に行ったのか!?」

垣内は
身を乗り出すようにして興味を示した。



それに反して
外は暗くもう遠く離れ山は影になっていた。

まだ星は見えてない。
雨も降ったばかりだから今日はもう見れないのかもしれない。

どことなく
雨のにおいがまだ残っていた。






「あっ、わかったわ…」






垣内はそのままズルズルと
壁をつたいながら下へ座った。

微かな雨のにおいに紛れて
牡蠣味のジュースからくる独特な
海の香りもする。






「確か、ミスコンの方の1位美結だったもんな
それで見に行ったのか?
それとも美結だったから耳に入ってきたのか?」






垣内は実に
面白いことを思いついたときの少年のような顔をした。

白い歯を
こちらに向け、ニシシっと笑っている。




こんなやつのどこがいいのだろうか、
ソノは不思議に思った。

まあそれをいえば
なぜ自分も順位に入っているのか不思議だなと
なんだか面白くなって、ついつい口もとが緩んだ。






「おお?」






垣内は見逃さなかった。

何に笑ったのかは
わからなかったが、ソノが笑ったことに
以上に反応した。