「懍ちゃん、帰ろ!」

「あー本当に美結は天使だなぁ。なんでこんなかわいいの!?どうしたらこんな天使生まれるの?もしかして天使じゃなくて女神!?あぁ女神さま!」

「…懍、放してあげな。息できてないから」




抱き締められて窒息死寸前で
やっと解放された美結はゼーハーと息を整えた。

懍は彼女の後でただあたふたしていた。

いや、背中さすってやればいいじゃんと明日香は
思ったが何も言わないでおいた。

なぜって、
おもしろいから。




「じゃあ、私は部活だから気をつけて帰ってね
懍、美結を絞め殺すなよ?ニコッ」

明日香は長い髪を高いところで結って
それを揺らしながら教室を去った。






「明日香ちゃん!」
廊下に飛び出して美結は叫んだ。"頑張って"


明日香は振り向かず
ピースサインだけ残して廊下を走った。






「明日香は相変わらずかっこいいよなぁ」

「懍ちゃんは黙ってたら女子にモテるよね!」

「…それはいいことなのか、どうなんだろ微妙だな」





懍はハハハと笑いながら
美結の頭を撫でた。

美結は嬉しそうに目をギュッとした。







「あぁマジ天使!まいえんじぇる!
今度からそー呼んでいい?」

「えーww
恥ずかしいからいやだ(ニコッ」

「そーゆーキッパリ言っちゃうところも好きです」







彼女たちもまた荷物を持って
放課後の廊下へ消えた。