「俺に仕えるのが嫌だというのなら、話は別だが」

「そんな!嫌だなんて!もったいないくらいです!ですが・・・、信じられなくて・・・」



エマはもっと、なにかを求めてもいいのだ。
ありたい場所を、強く願うことだって可能だろうに。



「お前がここに在りたいと思う限り、ここがお前の居場所だ」




俺も、居場所が欲しかった。
なにもなかったこの俺。


一人ぼっちで真っ暗な場所に閉じ込められていたその時の事は覚えてる。
暗くて、怖くて、寂しかった。




自分の椅子がない、その寂しさはよく知っている。




「魔王さま・・・っ」



ああ、綺麗に泣く。
ようやくエマの感情が見えた。