「お前ら、盗み聞きか」

「だって、いい加減待ちくたびれたし!エマばっかずるい!」

「マオさまがおっしゃったんですよ。今日は皆で楽しもうと」




拗ねたようなアドルフたちの様子に思わず吹き出す。
いい男たちが揃って何を言っている。



「仕方ないな。エマ。あとは帰ってからだ」

「えっ、あ、あと・・・」



顔を真っ赤にさせ戸惑うエマを、渋々身体から放す。
立ち上がりアドルフたちの顔を一人ひとりゆっくり見渡した。





「俺は、マオだ。マオ=ブラックフィールド。お前たちの家族である!」





声を高らかそう言った。
凛々しく真っ直ぐな瞳が俺を見る。





「だから、この先も俺と共に来い!」





もう、迷うことなどない。
大切なものはもう見えた。




愛するものと、大切なものと、すべて手放したりはしない。




強欲でも。
我儘でも構わない。




全てのものを、手に入れる。





それが、俺の決意だ。