「でも、大変です。マオさまをお慕いしているのは私だけではありませんから」

「恋人はお前だけだ」

「それは、・・・そうですが。マオさまの取り合いになってしまいそうです」




エマは俺の腕の中から、アドルフたちがいる方を覗きながらそう言った。
これからもっと賑やかになっていくであろう日々を想っているのか。





「俺は、魔界を変えるぞ」

「マオさま?」

「もっと、皆が生きやすい場にする。そして、いつか人間たちにも過去の過ちを赦してもらえるよう精進する」

「・・・どこまでも、ついていきます」

「エマがいるなら、どこにでも行けそうだ」




瞳を合わせ笑いあう。
本当に、なんでもできそうな気がした。



「エマだけではありませんよ!」

「そうそう!俺たちだっているから!」

「「そうそう!!」」




突然聞こえた声に振り返ると、アドルフたちがいつの間にかやっていていた。