「ルカッ!お前はもう少しましな登場の仕方はないのか」

「へへっ」



ニヤニヤと気色悪い。
ルカだけは・・・。


あの日から、一層俺への執着が酷くなっているような気がする。
“ひとり”そのことに酷く敏感なこいつの事だ。
傷つけてしまったのだろう。


だから俺は、こいつにちゃんと向き合い示してやらねばならない。




「今日は、仕事ないでしょ?じゃあ、どっか散歩に行こう!」

「散歩?」

「少し西に行ったところに、綺麗な花が咲いてるのを見つけたんだ」

「そうか。じゃあ、皆で行こう」

「みんな・・・?」

「ああ。皆でだ」




少しだけ残念そうに顔が陰る。
まるで子どもだな。




「お前と二人の時間もまた作ってやるから。せっかく1日暇なのだ。皆での方が楽しいだろう」

「・・・うん!」





今なら、この慕う気持ちが本物だと、手放しで信じることができる。
だからこそ、優しくできるのだ。