「エマのおかげだな・・・」



俺がそう言ってエマに笑いかける。




「っ!ただ偶然じゃん!そんなん、俺だってできたし!俺だって、まおーさまのこと大好きで必要だし!そこにその気持ちが恋愛のそれとは書いてないし、俺だってできたってことじゃん!」

「ルカ・・・?」

「なんか、なんか、ずるいし!俺の方がまおーさまへの想い強いし!!」

「それを言うなら。私のマオさまへの忠誠心は誰にも負けませんよ」

「なに、アドルフまでこの戦いに参加する気!?」

「もちろんです。想いの強さなら、負ける気がしませんから」

「あ、あの・・・。そんな、私だけのおかげだなんて思っていませんから・・・」




張り切って競い合う二人と、オドオドしながらそれを宥めようとするエマ。
なんと微笑ましい光景だろうか。



「「チチ・トトだって、まおーしゃまだいすきだもーん!!!」」




そこにチチ・トトまで加わり、賑やかさが増す。
俺の事をこんなにも想い慕ってくれる者たち。



俺はすっかり忘れていた。