「全員まとめて返り討ちにしてやる!」



魔王も思い切りこちらへと向かってくる。
ルカが一番に飛び込み気を反らし、視線がそれたところをアドルフが攻める。

それも簡単にかわされてしまいアドルフとルカは一撃ずつからだに衝撃を受けた。



「っ、諦めるものですか・・・」




どうして、マオだけが残る方法を探しておかなかったのだろう。
覚醒させないことだけに気を取られ、これまで何度も失敗していたはずなのにそれも忘れて。


結局同じことの繰り返し。
魔王さまの側近。



ただの、肩書に過ぎないではないか。



側近としての仕事を、私は少しでもできたのだろうか。




マオさまにとって、私の存在は、いったいどのようなものだったのだろうか。




「私は、マオさまのために!」






魔王さまとしてではなく、マオさまとして慕うようになったのはいつからだろうか。
そんな風に、思えるようになったのはどうしてだろう。