は!?
それがこいつ?
そんな馬鹿な。
魔王って言ったらもっと禍々しくて仰々しくて、背筋も凍るような恐ろしさで・・・。
「ただのチビじゃないか・・・」
「・・・」
「ってぇぇぇ!!!」
突然手を放され地面に尻から落とされた。
なんだよ!
「その言葉、もう一度言ってみろ。ただじゃおかんぞ」
その小さな体のどこから出てくるのか、身動きが取れないほどの威圧。
――――魔王だ。
本能的に、そう思った。
「ほら、乗れ」
「え、あ、はい・・・」
いや、でも。
本当に魔王なのなら、余計にわからない。
こんな魔物の中でもできそこないの俺を助けるメリットなんてあるはずないのに。


