愛しの魔王サマ



「俺が生きたこの3年は、とても素晴らしいものだった」

「マオさま・・・」




この足で確かに歩んできた道。
手にしたものは、結局手放してしまった。


それでも、確かにその想いだけは俺の心の中にあるのだ。




「・・・エマ」

「はい、マオさま」

「アドルフを呼んできてくれ。お前たちに、話がある」





覚悟は決めた。
近づく足音に、俺はもう抗えない。


エマに気付かれぬよう拳を握りしめる。
冷や汗が、頬を伝う。





未だだ。
未だ、奪われはしない。

目的を達するまでは、この身体、俺のものだ。




お前もろともこの世界から消え去ってやる。




それが、俺の覚悟だ。