「ないのですよ。どれほど書物を漁っても、話をききまわっても、そんな方法は、なにもなかったんです・・・。だから私は、どうにか覚醒しない方法を・・・」

「そんなの、わかんないじゃん!だって、そんな方法誰も思いついてないだけかもしれないでしょ!だったら、俺たちが自分で探すんだ!」

「自分で・・・」

「そう!おれ、まおーさまのいない世界なんて、生きてる意味ないんだ。だから、なんだってする」





それは、アドルフにとっても同じだった。
何度も同じ道を辿りたくはない。

今回は特に。
マオと離れたくなど、ないのだ。





「見つかるでしょうか」

「なんか、弱気のアドルフなんか、不気味~」

「そうですね、私らしくありませんね」




アドルフは苦笑し顔をあげた。
抗ってみようじゃないか。



醜くとも、情けなくとも最後まで。
足掻いて見せよう。





そう心に誓った。