愛しの魔王サマ



ドクッ――――――!!!




「かはっ」





――身体を、寄越せ





声が・・・。
頭の奥で響く。



くそ・・・。
こんな時に・・・。




どうしてだ・・・。
数時間前に発作は起きたはず。


頻度は上がってはいたが、発作が起きてすぐ次の発作が起きたことはこれまでになかった。




そこまで、ギリギリのところまで来ていたのか・・・?
いや、この場所のせいか?
俺の心が不安定になった隙をついて、出てこようとしているのか?




身体がいう事を聞かない。
心臓が締め付けられるような痛みに息ができず、苦しみにもがくだけ。



ナイフに手を伸ばそうにも、もう身体を動かせる気がしなかった。