愛しの魔王サマ



「お前は、馬鹿だな・・・」

「え?」




俺なんかに捕まり、忠誠を誓ったりなどするから。
結局、騙され最後には裏切られる破目になる。




「・・・行こう」

「あ、はい!」




あの場所は、嫌いだ。
今のこの状態でいって平気だろうか。



あの化け物が出てくれば、俺は意志を強く持ち立ち直ることができるだろうか。
もし、それができず乗っ取られてしまったら・・・。




「まおーさま?」

「・・・人間どもは、なにを要求しているのだ」

「そ、それは・・・」




言い辛そうに苦渋の表情を浮かべる。




「いいから、正直に言え」

「・・・、化け物は葬り去る。我らは、過去を忘れていない・・・と」





過去を忘れていない・・・か。
俺に身に覚えがなくとも、“魔王”がしてきたことなのだ。

恨まれて当然。