ドクッ、―――――ッ!!!




心臓が鷲掴みにされるような痛み。
思わず叫びそうになり唇をかみしめる。



クラクラする視界の中振り返ると、アドルフは廊下の角を曲がったようでもう姿はなかった。
そのことに、ホッとすると体がフラッと傾き、ガクッと膝を折った。



「・・・っ、く・・・」




息がつまり、もがくような苦しみに顔を顰め、身体の自由が次第と奪われていくような感覚。
そんな中で、必死に身体を動かしポケットから小型のナイフを取り出し刃を出すと、思い切り腕に突き刺した。




身体中を駆け巡る痛みに、自我を取り戻すとその場に倒れこみ、肩で大きく息をする。




ここの所、アドルフが言う所の発作が頻繁に起こり始めていた。
アドルフにひた隠しにされていたため、これまでの頻度はわからないが、記憶が飛んでいた日を思い返すとおそらく、以前より頻度は上がっていることはわかる。