幸せでいるといい。
エマがいるべき場所で。

俺の事など気にすることなく。
俺を、俺のままに覚えていてくれたら、それがいい。


俺が化け物であることなど、なにも、知ってほしくなど、ない。




「ルカ、お前は・・・」

「はい?」




真っ直ぐな、揺らぎない瞳。




ルカ、お前は俺が化け物だと知ったとしても、それでも、その忠誠を変えずにいてくれるだろうか。
それでもなお、まおーさま、と俺に笑顔を向けてくれるのだろうか。



あんなにも、鬱陶しかったはずのルカの態度が、もしかすると失くしてしまうかもと思うとそれはとても悲しいことに思えた。





「・・・いや、なんでもない」





情けない。
怖くて聞くことすらできぬなんて。