私は、目覚めた魔王さまに全てを打ち明けた。
その心の奥底には凶悪な魔王の心が眠っているのだと。
その心に決しては負けてはいけない。
強い心を持ってほしいと。
きっとこれでうまくいく。
そう信じていた。
しかし―――
「く、はははははは!!何度封じても同じこと!結局はこの世界は我が手のモノになるのだ!」
凶暴な魔王さまの心は、目覚めてしまった。
そのわけは・・・。
自身の中に強い力が秘めていると知り、その力を欲してしまった魔王さまがその心に堕ちてしまったからだった。
その時も、当時の勇者たちの手により、私も隠れて加勢しながらなんとか封印することに至った。
魔王とは何かを解いても。
危険を回避するためにあえて知らせても。
結局は、初代の魔王さまの心に支配されてしまう。
どうしても、無理だと言うのか。
それでも、諦めるわけにはいかなかった。
魔王さまのお側に仕えると初めに決めたのは自分。
魔王さまを支えられるのは私だけなのだと。
いろいろと調べているうちに、催眠作用のある花があることを知った。
その作用を利用して、初代魔王の心を抑え込むことはできないだろうかと思い至った。


