「姉ちゃん!」
トマが声をあげた。
その声に立ち止まり視線をそちらに向けるエマ。
「え・・・、も、しかして・・・、トマ・・・?」
「そうだよ、俺だよ!姉ちゃん!会いたかった!」
トマは駆け出しエマに抱きつく。
きつくきつく抱きしめ喜びに歓喜していた。
「ずっと、ずっと探してたんだ。施設を見つけたけどもう出た後で・・・、探して、探して、ようやくここにいるってわかって」
「ト、トマ・・・」
「人を集めて、取り返すために攻めたけど、どうしようもなくて・・・。それでも、どうしても姉ちゃんに会いたくて」
いつしかポロポロと泣き出す。
あんな風に、身を案じられ、求められる存在とは。
俺はただ、それをじっと見つめていた。
「姉ちゃん、帰ろう。帰って一緒に暮らそう。俺ももう15になった。今はもう働いてる。だから」
「トマ・・・。私・・・」
エマは決心が決まらないのか、戸惑ったように呟く。


