カーテンの隙間から差し込む光で目を覚ました。
ゆっくりと目をあけると、目の前にはすやすやと眠っているエマの姿。
そういえば、側にいろと言いつけて寝る時も側で寝させたのだったな。
こいつは、言われれば何でもする。
そう言う所は相変わらずだな。
身体を起こし、ぼんやりと寝ぼけた頭で息をつく。
右手には包帯が巻かれてある。
治癒能力の高い身体。
恐らく包帯の中はもう傷跡一つ残ってはいないだろう。
トントン、とノックの音が響く。
「失礼します、マオさま」
ノックの後入ってきたのはアドルフ。
慌てた様子に目を細めた。
「マ、・・・、コホン、エマを起こしてください、マオさま」
「・・・おい、エマ。朝だ。起きろ」
ベッドで眠るエマに気づき、アドルフは気まずそうに顔を反らす。
言われるままにエマを起こすと、エマはゆっくりと瞳を開く。
「・・・っ、マオさま!すみません、私・・・」
「いい。それより、アドルフが用があるらしい」
「え、あ、アドルフさま・・・!」
エマは恥ずかしそうに顔を染め慌てたようにベッドから降りて頭を下げた。


