愛しの魔王サマ



慌てて駆け寄ってきたエマによって身体は支えられた。
支えられた態勢のまま、腕をエマの背中に回しきつく抱き寄せる。




「マオさま・・・?そのような格好で、どうなさいました」




俺は風呂から上がったばかりの格好で、上半身裸のままの状態だった。
髪は濡れたままなのも厭わず、ただただ、エマを求めて走った。



「エマ・・・、俺は、何者だ」




ほしい答えを求めて。





「マオさまです。優しくて、男らしい、私のご主人様の、マオさまです」




そうして得た答えが、例え気休めだとしても。
今はただ、夢を見ていたいと願う。