愛しの魔王サマ



胸が、高揚する。
流れる血を見ると、ドクン、ドクン、と。


胸が騒ぎ立つのがわかった。




「なんだ、これは・・・」




心の中が、なにかに憑りつかれたような。
自分ではない、“なにか”が。



沸き立つような。






「俺は、本当に、何者なのだ・・・」




わからないのが、もどかしく。
信じられないのが、心もとない。




誰になんと言われれば、納得できるのか。
誰になんと言ってほしいのか。



浮かぶ顔は。