「最低、ねぇ。俺も、あんたみたいなガサツな女、お断りだから。じゃ。」拓海は、そんな言葉を残して、屋上から出て行った。
「どうして?・・拓海は・・少しでも、・・私の事・・好きじゃなかったの?・・」
もうこんな声、届かない。
「あーあ。かわいそうだねぇ!莉子ちゃん!」
「でも、これでよかったよ!ありがとう!
莉子ちゃん!」
は?
「どういう意味?よかったって。」しかも、なんで、ここに高坂慧がいるのよ。
「俺ねぇ、拓海に彼女とられたんだよ。」彼女?
「拓海、付き合ってた時があったの?」
「いーや、まぁ正しくは、彼女が拓海の事を、好きになっちゃったって事だけどねぇ。
彼女に怒りたっかり、殴りたかった。
だけど、大好きな彼女だったから、
怒る事も、殴る事も、できなかった。」
高坂慧にこんな過去が?