「ガシッ!」不意に誰かに腕を掴まれた。
「ちょっ!離して!って拓海?!」
拓海は、真剣な顔をしていた。
「どうしたのよ!」
「ねぇ、俺に何にも言葉をかけないで行くつもり?」拓海・・。
「何にもって、今日の朝かけたじゃない!」
「俺、寂しいんだけど。明日から、莉子がいないと。莉子は、どうなの?
莉子は、俺が明日からいなくて寂しくないの?」これ、さっきの質問じゃ!
「何ふざけた事言ってんのよ!バカじゃないの!」
「ねぇ、こっち見て!今、俺ふざけてないから。」確かに、拓海の瞳は真っ直ぐ私をとらえている。
とらえられてしまえば、もう二度と逸らせなくなるような勢いで。
「さ、さびしいに決まってるじゃん!
だけど、そんな事は言ってられないの!
仕事を学ぶ為には、そんな弱音は吐いていられない!」そうでしょ?