「莉子。聞いたわよ。新田くんから。」数学の授業が終わってから、彩香が来た。
「え?」
さっきは、普通に喋ってたのに今は、彩香の顔が曇ってる。
「明日、大阪に行くんですってね。2週間もいなくなるんでしょ?なんで、言ってくれなかったの!?」なんでって。
「だって、昨日知らされたんだもん!」なんて、嘘だよ。もう、とっくの前に決まってる。体育祭がある時くらいから。
「そ、そうなの?」
「そうだよ?だから、言う時って今日しかなくない?」これは、皆に心配と不安をかけない為。もちろん、拓海にも。
「それはそうと、仕事なんてできるの?」
「失礼よ、彩香。なんで、できないって決めつけるのよ!」
「だって、ねぇ?」