「はい、リンゴ。むいてきたよ。」リンゴを、差し出すと、ゆっくり莉子が起きた。
「あ、莉子。大丈夫?」俺は、莉子に近づき、体を支える。
「つかまえた!♪もう、拓海は私のものだから!絶対、放してあげなーい!」莉子、熱出すと素直になるのか?ってか、なんつー殺し文句だよ。

「ほら、そんな事言ってないで、リンゴ食べなよ。」俺は、冷静さを保つ。
「あーん♪」莉子が、口を開いてきた。
「な、なに?」俺、今ゼッタイ動揺してるな。
「あーん♪だよ!食べさせて!」莉子は、俺に抱き着いたまま、食べる気だった。
「食べるんだったら、俺から離れて、ここに座りなさい。」俺の隣を、ポンポンと叩いた。
「いーやーだー!もう、拓海は私が捕まえたの!離れないもん!」口を膨らませてる。