(出て行くとか……)
正直、大人としてどうなのか。
社会人としてはもちろん落第の態度だが、二十歳を過ぎている大人としても、こんな態度はいかがなものか。
(中学生でもあるまいに)
心の中では呆れ果てていたが、私はいつものように、柔らかい態度を作る。
「あの……私の言い方が悪かったようですね。光元さんには後で謝っておきます。資料も作り直してきますので、もし彼女が帰ってきたら、そうお伝えください。お騒がせして申し訳ありませんでした」
頭を下げた私に、早川さんが間髪入れずに言った。
「柴崎さん、君に責任はないよ。そうやって泥を被るのは光元ちゃんのためにはならないと思うけど」
早川さんの言葉は正論で、私にとっては嬉しい言葉でもある。
でもね、と胸の中で呟く。
(女って面倒くさいからね、正論とか通らないのよ!)
感情が先走るから、理路整然と突き詰めたって、絶対にわかり合えないし、理解してもらえない。
今まで二十七年生きてきて、イヤになるほど身に沁みて理解してきたことだ。
私はどちらかと言えば男性的な考え方をするらしく、腑に落ちない点があれば、理解できるまで突き詰めたいし、理論上問題なければ、自分の言いたいことを突き通すことに疑問を抱かなかった。
正直、大人としてどうなのか。
社会人としてはもちろん落第の態度だが、二十歳を過ぎている大人としても、こんな態度はいかがなものか。
(中学生でもあるまいに)
心の中では呆れ果てていたが、私はいつものように、柔らかい態度を作る。
「あの……私の言い方が悪かったようですね。光元さんには後で謝っておきます。資料も作り直してきますので、もし彼女が帰ってきたら、そうお伝えください。お騒がせして申し訳ありませんでした」
頭を下げた私に、早川さんが間髪入れずに言った。
「柴崎さん、君に責任はないよ。そうやって泥を被るのは光元ちゃんのためにはならないと思うけど」
早川さんの言葉は正論で、私にとっては嬉しい言葉でもある。
でもね、と胸の中で呟く。
(女って面倒くさいからね、正論とか通らないのよ!)
感情が先走るから、理路整然と突き詰めたって、絶対にわかり合えないし、理解してもらえない。
今まで二十七年生きてきて、イヤになるほど身に沁みて理解してきたことだ。
私はどちらかと言えば男性的な考え方をするらしく、腑に落ちない点があれば、理解できるまで突き詰めたいし、理論上問題なければ、自分の言いたいことを突き通すことに疑問を抱かなかった。

