一寸の喪女にも五分の愛嬌を

「先輩の中に一本の芯が通っているところが好きなんです」

「芯? 私に?」

「はい。初めて会った時は笑顔の優しい綺麗な人だなって印象だったんですが、それが一枚皮をめくれば、気が強くて口が悪い」

「褒めてないわね。全然」

「でも何より一番に会社のことを考えてくれている。それが自然に身についている。親族だけど別に俺の会社ってわけじゃないけど、嬉しかった。なんか、俺の身内とか大切なものを大事にしてくれる人だって……そんな感じがした」

 そこで極上の笑顔をこちらに向けるものだから、私は年甲斐もなく彼の笑顔にときめく。

「別に……そんなつもりじゃないわ。ただ社会人として働いている以上、会社に益を出さずに何をするっていうの? ただ日々をやり過ごして給料だけもらう仕事なんて、自分にとって何のプラスにもならないでしょ。同じ働くなら、自分が満足するように働きたい。ただそれだけよ」

 プイと横を向いた私だけれど、耳が赤く染まっていることに気がつかれてしまいそうだ。

 成瀬の視線が注がれているだけで、心音はせわしなく高ぶる。

 膝の上で握りしめている私の手に、成瀬はそっと手を重ねた。