(しばらく眠ろう)
きっとまだ体が睡眠を欲している。
精神的にもつかれきってしまっていた。
蕩けていくように思考が乱れて切れ切れになり、意識はプツリと糸の切れた凧のように彼方へと消えていく。
まだ日は高いのに、やがて私は眠りの湖に深く沈んでしまっていた。
*
私を眠りから覚ましたのは、何度も響くインターフォンの音だった。
「うるさ……」
会社から帰ってそのまま眠ってしまったから、皺だらけになってしまっているスカートとシャツに舌打ちし、起き上がる。
その間にも何度も私を呼び出している。
「誰よ、もう……」
チラリと時間をみれば、二十時を回っている。
どうりでお腹が空いていた。
扉に手をかけた時、私は……心の中で期待していた。
(もしかして……成瀬かも)
期待というより確信だ。
この部屋に訪れるのは宅配便を除けば成瀬しかいない。

