一寸の喪女にも五分の愛嬌を



 ――こんな喪女にもわずかの愛嬌があればいいのに……。


 そうすれば、成瀬を手にすることができるかもしれないのに……。


 とりとめもなくそんなことを考えてしまうのは、きっと熱に浮かされているからだ。

 眠ってしまえば、浮ついた考えなんて消えてしまうはず。

 片付けをしているのか、成瀬の動く音をベッドの中で聞きながら、私は目を閉じると、薬のせいなのかいつの間にか眠りに落ちていた。


 朝、目が覚めた時には、もう成瀬は部屋にはいなかった。

 それがひどく寂しくて、泣きたいような気持ちになってしまっていることに愕然とする。


「成瀬は彼氏でもなんでもないし、もう誰も好きになったりしないって決めているのに、何してんのよ、私、バカじゃないの?」

 独り言で自分を罵れば、無様すぎて苦笑いが浮かぶ。

 枕元のスマホに手を伸ばしかけ、そして気がつく。


 あれほどはまり込んでいたスマホのゲームはずっと開いていなかった。


 私を癒やしてくれる武将も王子もセレブも、今は会いたいと思えなかった。

 それでもゲームの中の彼たちに、少し申し訳ない気がしてアプリを開いてみようとした私は、スマホを見た途端に一瞬で笑顔になる。

 なぜならば、成瀬からメールが五件も届いていたからだ。