だけど、僕はここがどこかを知りたい。

僕は、その場所を物色し始めるとすぐに

んん?

この場所が見覚えのある所だと気づき始めた。

押し入れがあった和室に、少しの段差を経てからの理科室の様に、棚にビーカーやら試験管やらが並んでいる。


こんな、おかしな部屋。

そんなに、そんなに、ないと思う。

ここは、きっと僕が通ってる高校の理科室だ。

じゃあ、僕は未来に来たわけではなく、ただ学校に瞬間移動的な事をしただけなのだろうか?

それをしたなら、それはそれでスゴい事だけど。


でも…

僕は、理科室のあちこちを目を凝らしてる。

水道管に、触れながら

「こんなに、サビてたっけ?」

そのサビを爪で削る。

椅子を見ても、

「何か傷だらけ…最近、新しい椅子に入れ替えたハズなのに…」

傷を指でなぞっていると


バタバタバタバタ

誰かが複数で、走って来る音と声がしたと思ったらさっきの女の子が現れて

「先生!まだいる!早く!早く!」


僕を指差した。

女の子の後ろから、白衣を着て"先生!"と呼ばれた男が僕に近付いてくる。