僕は、そこからゆっくりと出てみて居た所の確認をしてみると

「やっぱり押し入れか」


僕は、何処かの押し入れに到着したらしい。

僕はもう一度、周りを見ると、すみっこに人がいる。

女の子。


女の子は、何かの棒を構えるように持ちながら僕の事を目を丸くしながら見ている。

「あの…」

僕が話しかけようとすると

「あ…あんた誰！？」

女の子は、棒を持つ手を震わせながら棒の先を向けた。

あ、これはホウキか。
穂先が僕に向けられていた。

「あの、僕…田中と言うんですが。ここは、どこですか？」

「は？なに…なにを言って…」

「あの…」

僕が女の子に近付こうとすると、女の子は

「いっ…いやぁぁぁぁあぁぁあ！！！」


持っていたホウキを僕にぶつけて、逃げるようにドアから出ていく。

逃げるように…じゃなくて、逃げられたのか。


「何もホウキを投げなくても…」

と、ぶつくさ言ってみるけど

まぁ、仕方ないか。

と、怒る気は毛頭にない。

だって、急に見ず知らずの男が自分のテリトリーに何故か現れたら、誰だってビックリするだろうし

あの反応が普通なんだよな。