「ふふふん」

何かのクイズ番組の効果音を口ずさむ。

目の前には長年、研究に研究を重ね、更に研究をし研究しつくし、作り上げた代物。

僕が作ったタイムマシン。


ジャジャジャーン!!


それは、見た目はただの箱。うん、段ボール箱。
“みかん”とか書いてる。

だけど、普通の段ボールではない。
なんたって、タイムマシンなんだから。


自分の部屋の押し入れに隠しながら、作り続けて数年。

親にみつかってもいいように、見た目をカムフラージュする為に段ボール箱の様に作ったんだ。


『バカじゃね?』


そんな声が聞こえる故に、僕の自己紹介をここでしてしまおう。


僕の名前は、田中 涼。

ごく普通の家庭に、生まれて17年。


父親が、10歳の時に事故で死んでから母親と二人で暮らす団地には、

な、な、なんと…

同じ名字の田中さんが23軒も住んでいるんだ。

凄いだろ?

6階建て、60戸入ってる家族のウチ、23家族も同じ『田中さん』がいるんだぜ?


こりゃあ、田中さん同士シャシャッと家族メンバーをシャッフルでもしたら、楽しいんでないか?

名付けて、タナカシャッフル。

そしたら、僕はあの人妻の…-