「なんで?僕たち付き合ってるのに」
確かにそれはそうだ。
あたしはなんで避けたんだろう。
わからないよ、わからない。
わかり…たくない!
「付き合ってるってことはさ、こういうこともするんだよ?」
突然肩を強く押され、バランスを崩した。
姿勢を取り戻そうとするけど、健二くんに床に押し付けられて立てない。
待って、何、怖い!
ガタガタと震えだす身体。
急激に冷えていく体温。
スイッチをオン・オフが切り替わったように豹変した彼は違う人みたい。
サーっと血が引いていくのを感じた。
「…やめて」
ブラウスのボタンを外そうとしている健二くんに訴えかけるものの、やめてくれる気配も離れてくれる気配もない。
き、気持ち悪いっ…。
ニタッと口角を上げる健二くんはもうあたしの知ってる健二くんじゃない。
いい人なんかじゃ、ない…!!



