キミと恋に落ちる可能性




「ちょっと古典がわからなくて…」

「女の子で国語が苦手って珍しいね」

「そう?」


あたしは完全な理系頭だ。

文系の教科はあまり得意じゃない。


反対に健二くんは話を聞く限り文系らしい。



だから教えてもらおうと思ったのだ。




「わかった。いいよ」






二つ返事で快く了承してくれた健二くんはすごく教え方が上手かった。



全くと言っていいほどわからなかった古典がわかるわかる。



「本当にありがとう。すごくわかりやすかった!」

「いえいえ。お役に立ててよかったよ」



ニコニコと笑う健二くん。


本当にいい人だなあと思う。


あたしには勿体無いくらい。



実を言うと、あたしはまだ自分は彼が好きなのかわからないままだった。


このままでいいわけないし、健二くんにも失礼だ。