「お待たせ。麦茶で良かった?」
「うん、ありがと」
間も無く健二くんが戻ってきた。
さて何を話そう。
勢いに任せて来てしまったけど、話すこともなければ用事もない。
恐れていた沈黙があたしたちを包んだ。
「…あの!健二くん、勉強教えてくれない?」
「え」
耐えられなくなってあたしから話題を振る。
ただ勉強を教えてほしいのは本音だ。
健二くんと付き合い始めて知ったこと、健二くんは頭が良かった。
あたしといえば、高校受験前は死に物狂いで頑張って勉強していたのに、高校に入ってからは勉強する気にもなれず、平均的な成績で保っていた。



