「おい、翔太。外行くぞ」
しばらくすると黙って見ていたヒナタが翔太先輩を引っ張り、外に連れていってくれた。
そして和樹くんも二人についていく。
これで少しは覚めてくれたらいいんだけど…。
「助かったー」
佳乃先輩はホッとした様子だ。
「コーラで酔う人なんて初めて見ました」
「本当にね。…華乃ちゃん。三人がいないうちに恋バナとかしない？」
「…恋バナ、ですか…？」
「うん！」
佳乃先輩はしてみたかったんだよねー、と笑う。
でもあたしは正直乗り気じゃなかった。
だって、ここで佳乃先輩の好きな人がヒナタと言われてしまったら終わりなんだもん。
二人は両思い。あたしのやっと気づいた恋は失恋に終わる。
