キミと恋に落ちる可能性




────はずだったのに。


「はい、これも持って」

「おい」

「はい、こっちも」

「…佳乃。お前、俺をなんだと思ってる」

「んー。荷物持ち!」


どうしてこうなった!!




* * *


「…俺も行く」

「はっ?」

急に自分も行くと言い出したヒナタ。

「女2人にだけ頼むのは流石に気が引ける」


いや、待ってよ。それ、ありがた迷惑なんですが。

行くなら始めからあなたが行ってください。


「…ま、まあ!陽空も入れば荷物持たなくていいしラッキー!!三人で行こう!」

「ええ!!」

冗談じゃない。

これじゃ本末転倒。あたしの計画は台無し。

なんだよ。そんなに離れたくないのなら、もういっそのことくっついてしまえ。

やっぱり嘘です。本当にそうなってしまったら、あたしはたぶん立ち直れない。

ヒナタとは小さい頃からずっと一緒だったからだけに、ダメージはきっと大きいはず。


ああ、神様。

何事もなく買い出しが済みますように。



そして、今。その、嫌で嫌で仕方なかった買い出しに来ているわけである。