やめて。やめないで。

頭の中がぐるぐると回転して忙しい。

どくんどくんと胸が苦しい。

いつもバカにしてくるくせに。

大泣きしているのをあとでバカにしてくるかもしれない。

それでも、


「…ヒナタ…ごめんっ、…ごめんなさい、っ」


涙が止まらない。


助けてくれてありがとう。

簡単な言葉なのに口に出せない性格が憎らしい。


更に抱き締める力が強くなったヒナタの腕が、温もりが、どうしようもなく愛おしい。


強く優しくあたしを抱き締める胸が懐かしい。


その体に涙でぐちゃぐちゃの顔を押しつけた。






ヒナタの体温を感じて思う。

信じたくないけど、

信じられないけど、



きっとあたしはヒナタに落ちたんだろう。