「本当に心配したんだから〜」
目をゴシゴシと擦り、笑顔を見せてくれた美樹に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
こんなにも心配かけてしまったんだ、と。
「それにしても、櫻井先輩には感謝だよー」
「…ヒナタ?」
「そうだよ。誰よりも早く海に飛び込んで、華乃を抱えて戻ってきたんだから!」
「えっ」
…ヒナタが…。
てことはこのパーカーもヒナタのものかな?
そう思えば何故かすとん、と納得できた。
「カッコよかったんだよー。華乃をお姫様抱っこしちゃって!歓声が凄かったの」
「お、お姫様抱っこ?!」
まずくないか、それ。
今回だって、ヒナタ絡みの恨みを買って落とされたわけだし。たぶん。
あちゃー、と頭に手を当ててみれば、カチャッと音がして何かと思ったらメガネだった。
…ヒナタはあたしが死にかけたっていうのに、メガネは外すことを許してくれなかったらしい。



