ということはヒナタはまだ来てないってことか。
「ヒナタが呼んだくせに…」
本人の前では言えない愚痴をボソッっと零し、あたしは立ち尽くした。
と、その時だった。
「陽空くんと話せるからって調子に乗るなよ」
───────ドンッ
後ろから強い衝撃を受けて、あたしの体は宙に投げ出された。
周りがスローモーションみたいにゆっくり見える。
脳を物凄く速く回転させて状況を理解しようとするけど、こういう時ってやっぱり焦るんだな。全然、考えられない。
「きゃああああああああああああ!!!」
段々と近づいてくる海を見て、やっと分かる。
あたしは崖から突き落とされた。



