「うわっ。冷たっ」

「あはっ。気持ちー!」


海の中に入ると暑い日照りなんて気にならない。

冷たくて気持ちいい。


あたしたちは夢中で遊んだ。

かと言っても、本気で泳いだりしたわけではなく、浜辺で可愛らしくバシャバシャとしていただけだけど。


そして、しばらく遊んだ後、休憩を兼ねて昼ご飯を食べることにした。



「よーし。優しいミキちゃんが華乃の分のお昼ご飯を買ってきてあげよう」

「…なんか機嫌いいね。ありがとう」

「ふふっ。だって海なんてテンション上がるじゃん?ナンパには気をつけなよ、お姉さんっ!」

「ナンパ?大丈夫だよ、そんなの」


あたしをナンパするぐらいだったら、美樹の方をナンパするはずだし。

だってあたしの格好は水着こそビキニだけど、いつも通り黒縁メガネを付けていて、凄く地味。

ナンパされるような派手な子とはかけ離れている。