また、部屋に誰かがいた

しかし、そのときP15は香織の急な変化を感知した。

「カオリサン!カオリサン!」

P15からのコールにより香織の元に駆け付けた医師や看護師たちが意識をなくした香織の耳元で話しかけながら懸命な処置を行った。

「森村さん!森村さん!聞こえますか!」

やがて、香織の両親が病院からの連絡で駆け付けたが、医師たちに囲まれたベッドの上の香織の様子に言葉を失ってしまった。

「香織!」

「ご両親ですか?すいませんが治療中ですので廊下でお待ちください」

病室のなかから香織が生きるために戦っている凄まじいまでの喧騒が聞こえる。

「ああ…香織…」


彼女の両親はただ祈るように、その場にうずくまっていた。