「私」と君は小学校のときから友達だった。
それこそ、所謂幼馴染みってやつで。家が近くていつも一緒。
事件は、1ヶ月前、ゴールデンウィークが終わって、1ヶ月以上祝日のないこの日々をどうしようかと考えていた頃だった。
『休日は毎日あいつのとこに遊びに行く』
『それとなく好きだって伝える』
『あわよくば、恋人になる』
だって、文化祭までに彼氏ができなかったら『鳩矢ブス』って呼ばれるんだよ?
あ、鳩矢って自分とこの高校名ね。鳩矢高校。
そんな汚名は被りたくはない。いや、意地でも被るものか!
あいつなら気心知れてるから、相手に丁度いいなぁって思っていた。その矢先、
『樹里と付き合うことになった。
これから、アドバイスとかよろしく』
そんなトークが来たものだから。
ーー確かに樹里は可愛い。私なんかよりも…
でも、君のことを一番にわかっているのは絶対に私。それは譲れない。
でも、君が私は友達で、樹里を恋人にして、それで人生を回すのなら。
私は、君に必要とされる親友でありたい。
