『ごめんな、夜遅く』

『珍しいね、私も話があったんだけど』

『俺からいいか?』
『樹里のことでしょ?』

『今度の休み、あいつとデートするんだけどさ、どこ行ったらいいと思う?』
『樹里、君とならどこにでもって言ってた』

『サンキュー! それで、お前の話しは?』
「君のことが好きです」

打てるわけない。君とはただの友達なんだって、何度も自分に言い聞かせる。

『やっぱなんでもない! 宿題は自分でやらないとね』
『お前のが頭よかったのに?』
『よく考えたらそうだった!笑』

笑い話の方が私たちには似合うでしょう?

貴方には、ロミオにはジュリエットがいる。君の運命の相手はいる。それこそ、心中してしまうくらい大好きな相手。

でもそれは私じゃない。私は仮面舞踏会に出席したただの娘役。

どうやっても、君の目に、私は、映らない。