澄み切った青い空。昼間の空はそんな風に形容されるが、夜の空はただの真っ暗闇なん言われてしまう。真っ暗なだけで、闇だんなんてと思う。
東京は星が少ないから暗いなっておじいちゃんが言っていたっけ。

「ふぅ…」

吐き出した息が白い。冬がもう、すぐそこまで来ている。ついさっきカイロ代わりに買ったホットココアがちょうどいい温度になっている。少しずつ冷えていく身体を温めながら、歩く。
このまま歩き続けたら一体どこへ行くのだろう。そんなこと考えたって仕方ないけど。